「魅惑の緑(グリーン)」
新緑の緑、森林の緑、苔の緑など、緑は自然の色を代表するものです。この緑のもとである葉緑素(クロロフィル)を色素として使いたいという望みは昔からありました。 古代から草の緑を使った染色は研究されてきましたが、葉緑素は水に溶けない、不安定(分解しやすい)ことで実用化されていませんでした。緑に染めるには、黄色の染料と青の染料を重ね染めするしかありませんでした。 草木染をされている方はご存知と思いますが、染色工芸家である山崎青樹氏は、30年ほど前に若葉を使った緑染めの方法を世界で初めて考案し、様々な植物で緑染めを行っています。 山崎氏が著書で公開している方法は、確かに緑染めはできるのですが、草木の種類、採取時期、処理条件にコツがあり、うまく緑の染液が取れずに、泥色になることもありました。また、4回、5回も煮出しで染液を作るという手間と経験の必要なプロの方法でした。 LSアカデミーはこの緑染めを科学しました。この方法の中でクロロフィルがどのような化学反応を起こしているのか、その化学反応の条件、抽出条件を見直し、最適化しました。その結果、カラム抽出法を用いて、誰でも失敗することなく、ほんの30分で濃厚な緑の染液を作る方法を開発しました。ヨモギ、葛、セイタカアワダチソウなど、庭や公園で普通に見つけることができる植物で簡単に緑染めが楽しめます。新しい緑染めの世界、ぜひ体験してください。