トゥルーフレグランス
水蒸気蒸留でハーブなどを蒸留すると、芳香蒸留水と精油が得られます。ただし、精油は材料の中に多くて数パーセント(ラベンダーや柑橘類)、ほとんどの材料には1%以下しか含まれていないので、家庭用の100g程度の水蒸気蒸留器では、なかなか精油をとることはできません。家庭での利用は芳香蒸留水が中心になります。
芳香蒸留水は精油成分だけが溶けた水ではありません。香りの成分には、水にはほとんど溶けないテルペン炭化水素だけでなく、水に溶けやすいアルコール、アルデヒドなどが含まれています。精油の成分は主に、水に溶けないテルペン炭化水素ですが、芳香蒸留水にはテルペンアルコールやアルデヒドなどが多く含まれるので、精油とは香りの質が異なります。
ラベンダーは家庭でも精油が取れるハーブですが、できた精油と芳香蒸留水を嗅ぎ比べてみると、違いははっきりします。精油は、ツンとくる鋭い香りですが、芳香蒸留水は刺激の少ないやさしい香りです。ラベンダー精油と芳香蒸留水に含まれる主な成分は
精 油 :酢酸リナリル、リナロール、β-カリオフィレン、cis-オシメン 芳香蒸留水:リナロール、α-テルピネオール、クマリン、テルピネン-4-オール、ボルネオール
ラベンダーの香りは、蒸留することで精油と芳香蒸留水に別れてしまいます。元の香りは、この2つの香りをあわせたものですが、今まで2つの香りをあわせることは困難でした。
しかし、FSEフレグランスを作ることができれば、できたFSEフレグランスに精油を混ぜれば、2つの香りが一緒になり、元のラベンダーの香りが再現できます。
このように作ったのがトゥルーフレグランスです。今まで、工業的には手間がかかってできなかった最高の香りが、家庭でも簡単に作ることができます。